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Episode2 天使轟臨 ~Angels Flying in the Supercell~

◇◆◇ 0 ◇◆◇

Wrestle Angels PBeM
(文:STR様)

Episode2 天使轟臨 ~Angels Flying in the Supercell~

〔ストーリー〕

西暦20X1年4月――

日本の女子プロレス界は、新たなうねりの中に飲み込まれつつあった。
――それは自然の流れ?
――あるいは何者かの意志?

そんな大きな渦とは関係なく……
それぞれの想いを胸に、それぞれのやりかたでプロレス界という荒波に飛び込んだ少女たち。
彼女たちの行方はいかに――



*-----------------------------
■WARS SIDE■
*-----------------------------


◇◆◇ 1 ◇◆◇


ここは東京某所にある【WARS】の道場。
選手たちが合同練習で汗を流している。
ようやく休憩時間を迎えたさなか、

「ううぅおおぉぉぉーーーっ!! 無礼にも程があるッス!!」

時ならぬ絶叫が響き渡った。
声の主は《真田 美幸》、WARSの選手の一人である。
顔を真っ赤にしながら、読んでいた雑誌を破り捨てんばかりに引っ張っている。

「騒々しいぞ、真田」

これは汗を拭いている《柳生 美冬》である。
慣れているのか、真田の雄たけびにもさして動じた風もない。

「美冬さんっ、この記事見ましたっ!?」
「……【JWI】の件なら知っている」
「向こうが挑戦してくるっていうのならともかくッ! 大将をカネで呼びつけようだなんて、無礼千万ッス!!」

美幸が怒り心頭なのは、JWIが発表した“一兆円トーナメント構想”の件である。
各プロレス団体のエース選手に招待状を送りつけ、優勝を争わせようというのだ。
WARSで“ご指名”を受けたのは、もちろん団体のトップである《サンダー龍子》。

(……確かに無礼だ)

おまけに、WARS事務所に届いた挑戦状は、住所や団体名が間違っていたという。
それを告げたらなおさら美幸が激昂しそうだから、美冬は黙っておくことにした。

「貴様が熱くなっても仕方あるまい。挑戦されているのは御大将なのだからな」
「っ、龍子さんはどうするんスかっ?」
「さぁな。……少なくとも今は、それどころではあるまいよ」

まもなく始まる九州巡業。
その最終戦で、龍子は“WARS認定無差別級王座”のタイトルマッチを控えている。

(あの難敵……龍子どのと言えども、勝敗は五分五分か)

「………………」
「っ!? おわぁっ!!」

ふいに背後に気配を感じて飛びのく美幸。
そこには、覆面姿の見知らぬ女性が立っている。

「だ、誰ッスかっ!?」
「ほう。珍しい顔だ」
「……………………うむ」

【東京女子プロレス】の《RIKKA》。
くのいちギミックで売っているキャラクターレスラーだが、じっさい神出鬼没である。
美冬とは顔なじみであった。

「そうか。お主が来たという事は……そういう事か」
「………………うむ………………」
「ええっ!? ど、どういう意味ッスか!?」

東女が提案した、女子プロレス界における統一コミッション設立計画……通称【GPWWA】構想。
WARSは賛意を示しているとも聞いていたが、

「ただ顔を見せに来た訳ではあるまい?」
「………………うむ………………」

東女の仕掛けは、既に始まっているという所か。


◇◆◇ 2 ◇◆◇


WARS寮での生活。
〈上原 凪〉は、デビューを目指して練習漬けの日々を送っている。

寮の同室になった先輩《中江 里奈》は面倒見がいいし、付き人になった《真田 美幸》は……ちょっと変わっているが、悪い人ではない。

不満といえば、ここ最近、《サンダー龍子》と顔を合わせていない。
寮に入るとき、

「これからは先輩と後輩の関係だ。ちゃんとケジメをつけろよ」
「はいっ、分かりました! 龍子姉様!!」
「……それをやめろと言ってるんだ」

そんなやりとりがあったが、道場でも実際龍子の方から直接、凪に声をかけることはまずなかった。
その上、最近はタイトルマッチを控えて多忙らしく、道場にも顔を見せていない。

となると意識するのは、同時期に入門を果たした練習生のことである。

〈武神 玲蘭〉――

入門テストのスパーリングでは、彼女の回し蹴りを食らい、立ち上がれなくなるという悔しさを味わった。
聞けば、空手では全国レベルの猛者らしい。
しかも、龍子とは遠縁にあたるとか。
初対面の時、龍子に似ていると思ったのはまんざら的外れでもなかったわけだ。

(絶対、負けるもんか……っ)

体格ではだいぶ差があるが、ガッツでは負けていない。はず。
わずかな休みも返上して、凪は練習に打ち込んだ……


◇◆◇ 3 ◇◆◇


そして、WARSの九州・沖縄巡業が始まった。
ふつうなら練習生は居残る所だが、

「ご両親に挨拶しないとな」

という龍子の意向から、凪も同行することになった。

久々に龍子に会えて話したいことも多かった凪であるが、ピリピリとした彼女の雰囲気に、自分から話しかけるのははばかられた。

「プロレスは、危険な仕事です。最悪、――死ぬこともあります」

両親に対し、龍子は率直過ぎる言葉を口にした。

「もちろん、一人前になるまでリングには上げません。しかし、たとえ万全の備えをしても、万一のことはありえます」

それでも、預けて頂けるのなら、このまま連れて行きます――
その気迫は、凪はもとより、ふだん能天気な彼女の両親すらも、思わず言葉を失うほどのものであった。

しかし、それで尻尾を巻くほどには凪も臆病ではない。
流石にしばしためらったが、あらためて龍子に付いて行く事を決めた。
龍子は短く、

「そうか。……」

と答えただけだった。



そして迎えたシリーズ最終戦。
メインイベントでは、龍子のタイトルマッチが控えている。

(龍子姉様が、負けるはずない……っ)

そう信じる凪であったが、心配なのは間違いない。

「真田さん……龍子姉様、じゃない、龍子さん負けませんよねっ?」
「当たり前だ! あんなこすっからい女狐なんぞに……そりゃ、自分はしてやられたけど」

やきもきしながらも裏方として働いていると、用事を頼まれた。

「あのね~、通訳さんリタイアしちゃってたのは知ってるでしょ?」

《石川 涼美》に言われずとも、その件は聞いている。

「っ、あの、私英語出来ませんけど……」
「うぅん、そういうわけじゃなくて~」

WARSに参戦してきた【VT-X】の《真壁 那月》の後輩が、そこそこ英語が出来るという。

「だから、案内してあげて~」
「っ、は、はぁ……」

龍子の心配をしつつも、やるべきことはやらねばならないのだった。

(っ、不景気な顔してちゃ、バカにされちゃうっ)

自分で頬を叩き、気合を入れる凪――



その女性は、身長は凪とほぼ同じくらいだったが、

(うわ、美人……)

と息を呑むくらい、整った顔立ちだった。

「あのっ、ヴォルテックスの方、ですよねっ?」
「えぇ、どうも。〈オースチン・羊子〉です」

慇懃に答える彼女。名前からして、ハーフであろうか。

「助かりますっ。あ、私、上原凪って言います、よろしくお願いしますっ!」
「は、はぁ、どうも」

控え室へ向かう道すがら、あれこれと言葉を交わす。

「私、まだ練習生なんですけど、いつか、同じリングに立てたら嬉しいですっ!」
「そ……そうですね。頑張って」



 〔永沢舞・凱旋試合〕

 《永沢 舞》(WARS) & 《真壁 那月》(VT‐X)

 VS

 《アニー・ブレア》(フリー) & 《ダイナマイト・リン》(フリー)

その後、羊子はこの試合に悪徳マネージャーばりに介入、永沢と真壁の合体攻撃を食らって轟沈した。

(うわぁ……凄いなぁ)

と感心した凪であったが、彼女もデビュー前の練習生であったことを知ったのは、後のことである。



そして迎えた、メインイベント――

 WARS認定無差別級王座戦

 〔王者〕
 《サンダー龍子》(WARS)

  VS

 〔挑戦者〕
 《フレイア鏡》(フリー)

フリーの大物として知られる鏡だが、世間の目はもっぱらその美貌と女王様キャラに注がれており、実力派とは見られていなかった。

その見方を一変させたのは、シリーズ開幕戦での、龍子との前哨戦。
鏡は龍子の右腕を執拗に攻め、ついには脱臼に追いやったのである。
普通なら欠場やむなしの重傷であったが、龍子は一試合も休むことなく出場を続け、ついにタイトルマッチまでたどりついた。
その間、鏡はしばしば龍子の試合に介入、負傷箇所を痛めつけた。
あまりの非情さに、怒ったファンから物をぶつけられるのもザラ。
そんな中、平然と冷たい微笑を浮かべる姿は、正に血に餓えた狼であった。
憤怒に駆られた武神が思わず殴りかかり、キック一発で蹴散らされたりといった一幕も。

すべての因縁が収束する、この一戦……
果たして期待にたがわぬ激闘となった。

(……っ、こんなの……まるでっ)

試合というより、果たし合い。
意地と意地、非情と激情が交錯するド迫力の闘い。
思わず知らず、凪の足は震えていた。
それは、初めて感じる、プロレスへの恐怖。
あたかも、龍子が体を張ってプロレスの怖さ、凄みを教えようとしているかのようだった。

決着もまた、凄絶なものとなった。

▲龍子(31分45秒:両者ノックダウン)鏡▲

マットを紅く染めた凄惨きわまる闘いは、両者病院送りという結末に至った。
年間ベストバウト候補に挙がる一戦は、2人から少なくない代償を必要とした……

tag : Wrestle Angels PBeM サンダー龍子 上原凪

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