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龍刃道場の日常その7

――龍刃道場にて

「六角コーチ、どうだい悠里達は?」
「葉月でいいのに。相変わらず固いなあ」
上原と六角、誰もいない道場に二人で座っていた。
旧友でもある二人だが、今は、雇用者と被雇用者の関係。
六角は全く以って気にしないが、上原は性格上、そうはいかないようだった。
それでも、団体では龍子や会長とは違う意味で、腹を割って話せるのが六角葉月という親友なのだ。

「公私の区別をしておかないと皆に示しがつかないだろう?」
「そうかい? あたしが感じる限りではあの娘らはそんな気にしないと思うけどねえ」
「そうかもしれないが、私自身が弱いからなそういう事はキッチリしておきたいんだよ」
「……まだ、昔のことを気にしてるのかい?」
「その話はよそう」
「分かったよ。じゃあ、今日の興行の収支はどうなんだい? 黒字かい?」
「な、何をいきなり……く、黒に決まってるだろう(売店でグッズやパンプが売れたらだけど……)」
「ははあぁぁぁん。その顔じゃ売店次第って顔だね? 大体、席料の設定が甘すぎるんだよ、今日子は。普段見れないカードがあるんだ。少しぐらい高めに設定しても来てくれるのにさ。それで良く団体維持出来てるね? 不思議で仕方がないよ」
「な、何を言ってるんだ。て、適当な事を言わないでくれ! ちゃんと皆の給料は払えてるぞ!」
「ふーーーん、じゃあ、今日子の今月の給料教えておくれよ。ほれほれ(どうせ自分の給料削って何とかしてるんだろうなー)」
 六角が自分の耳を指差し、上原に顔を寄せていく。
「そ、そんな事、ど、どうして教えなきゃいけないんだ? それより、悠里の指導は順調なのか? ちゃんと仕事してるのか?」
 上原は強引に話を変えることにしたようだ。
 仕事の話を持ち出されては、六角もとりあえずは真面目に応答しなくてはならない。まあ、とりあえずだが。
「チッ……誤魔化したな」
「誤魔化してなんかない! どうなんだ?」
「はいはい。今日子の指導方針のお陰かな。基礎はどの娘も仕込まれてたからね、色々とやりやすかったよ」
「そういってもらえると嬉しいな」
「でも、どの娘も免疫がないんだよ。特に楠木が酷かったかねえ」
「……」
「団体カラーといえばカラーなんだろうけど、少し難易度のある関節技なら苦もなくギブアップまで持っていかれるのは問題だと思うねえ」
「……教えてはいるんだぞ」
「だろうね、ロメロとかタランチュラとか、果ては飛びつき卍とかにはキッチリ反応したけど、特殊すぎるね。技を知らなさ過ぎるんだよ。最終的にはどいつもこいつも根性で耐えるんだから始末が悪い。あ、悪口じゃないぞ」
「分かってる……」
「で、本題。どうするのか? 迷ったがその特性を特化させるしかないと思ってね」
「お、おい、まさか……」
「そのまさかだよ。技の返し方は一切教えてない。我慢の仕方と心が折れないように耐性を磨いた」
「……」
「なんだいその顔は? 感謝の言葉の一つもないのかい? 少なくともプロレスにはなると断言できるぞ」
「あ、すまない。有難いとは思ってるのだが、本当に葉月の攻めをずっと受け続けたのか? 悠里は?」
「ああ、最初は欠伸が出るくらい暇だったけどね。最後のほうは昔の今日子との試合を思い出したぐらいだよ。極めても極めても諦めないから、一回は本気で落としちまったぐらいだよ。前言は撤回しないといけないね、将来は化けるかもしれないな」
「どう反応していいのか困るな。悠里に関しては、正直、龍子の影響の方が大きいからな」
 上原は悠里の成長に満足そうに微笑んでいた。
「謙遜のし過ぎは嫌われるよ。その龍子ちゃんは今日子を意識してるんだ。しっかりと魂は受け継がれているよ」
 六角は真剣な眼差しを上原に向けた。その瞳はどこか羨ましげに見えたのは上原の気のせいではないだろう。根無し草のフリーでは味わう事の出来ないことなのだろう。
「そうだな……私は幸せものだな。弟子にも友人にも恵まれた」
 六角に感謝の気持ちを告げる。
「ホント、生真面目で律儀なところは相変わらずなねえ……ありがとうって言えばいいのかい?」
「それはお互い様だ」
 六角はどこかむず痒くなり、照れ隠しに上原をからかう事にした。それがいつもの関係だから。
「で、今日子のいい人とは何処までいってるんだい? どんな味だった?」
「な、な、な、な、何を言い出すんだ!!」
「照れなくてもいいじゃないか? あたしと今日子の仲だろう? 教えてくれても罰はあたらないだろう? どうなんだい?」
「う、う……」
「上手い? 床が?」
「うるさーーーーいっ!! 葉月!! もう許さないぞ!!」
「いきなり怒り出すなよぉ、可愛い眉毛が台無しだぞぉ。あははははは!!」
「眉毛っていうなーーーーーっ!!」
 誰もいない道場で、友情を深める?追いかけっこが始まった。



「なあ、龍子。ここで何してるんだ?」
「会長こそ」
 道場の入り口で入るに入れなくなった二人がいた。
 会長と龍子の二人。
「葉月から悠里のことを聞こうかと思ったんだが……あの空間には割って入れるほど俺も馬鹿じゃないさ」
「同じだよ。で、立ち聞きする気は無かったんだが、あいつ絶対気付いてるぞ」
「葉月か?」
「ああ。上原さんはどうだろう……かなり動揺してるから気付いてないかもな」
 龍子曰く、六角は自分達にも聞こえるように話して、その反応を楽しんでいると。
「確かにありえるよな。つまり、俺たちはお邪魔虫ってことか? 悠里のことは心配しないでいいから、どっか行けって?」
「だろうね。癪だが、上原さんのあんな笑顔は初めて見たよ……はぁぁ」
「なら、邪魔者同士で飯でも行くか?」
「いいだろう。会長の奢りだぞ」
 龍子はそういって外へと向かう。
「ちょ、ちょっとマジかよ!? 今月の興行マジ厳しいのに。ま、待てよ龍子!!」
 会長は文句を言いながらも龍子の後を追って外に向かった。


ヤキモチ妬いてる龍子さん
両刀っぽい臨時コーチの葉月さん

そんな龍刃道場の黒字興行は、役員の給料未払いの時だったりします(笑)

赤字会社の役員なんて、所詮、飾りなんですよ。それが大企業の偉いさんには分からんのです(笑)

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