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龍刃道場の日常その6

「……」
 寮のある部屋の前でドアに手をかけては引っ込め、引っ込めてはまたドアに手をかけるという挙動不審な者がいた。
「……今更、どう声をかけたらいいのかな……」
 ドアから離れると今度は、ウロウロと落ち着き無く歩き出す始末。
 そんなところに部屋の主が帰ってきた。
「ん? 何してるんだい?」
 両手にスーパーの袋を手に持った六角が挙動不審者の楠木に声をかけた。
「え!? どうして部屋に居ないんですか?」
「いや、どうしてって言われてもね。ちと、カイチョーさんに誘われてコレ行ってたんだよねー」
 そういって、荷物を離した右手でクイっと回す仕草をする。
「???」
「あー、そうかそうか、未成年の君らには分からないか?パチンコ、パチンコ。大勝大勝でさ帰りに買出しに行ってきたのさ」
「……練習は?」
「んー? 気が向かなかったんでさ。今日はお休み。休むのも仕事だからね♪」
 片目を瞑ってみせる六角。
 それが、どうも真面目な楠木には耐えられなかっただろう。
「……もっと、真面目に出来ないのですか!? 仮にも社長に請われてここに来たのなら、もっと誠実に仕事をこなしたらどうなんです!!」
 楠木は自分が何故ここに居たのかを忘れて、六角に食ってかかった。
「あー、なんだ。今の状況であたしが言うのもなんだけど、アンタ自分の価値観に囚われすぎじゃないかい? 大体、アンタに迷惑をかけたつもりは無いんだけどね? レイとか越っちょんとかちづるとかが言うならまだ分かるんだけどさ、アンタあたしに何も習ってないよね? そういうのっておかしいだろ?金払ってんの上原だしさ」
 楠木の言い分を六角は正論ではないが間違ってない理屈で、楠木を言い分をバッサリ斬って捨てた。
「……」
「なにもいう事がないなら、そこどいてくんない? 部屋に入りたいんだよね、ホラ」
 野良犬でも追い払うように、シッシと手を払う六角。
「アンタさ、何もかも中途半端だよ。そういうのって相手に失礼だと思うぞ。まだ、カイチョーさんと仲の良い超絶お嬢様のほうがあたしは好きだな、善し悪しは別にして一本筋が通っているからね」
 楠木がどいた横をすり抜けて自室に入っていく六角を、楠木は俯いたまま見送った。
 そして、六角はドアを閉める直前に楠木を更に斬って捨てる。
「アンタ、プロレス辞めたら?」
 そういって、ドアを閉めた。
「アガッ!!」
 楠木が呻く。締まるドアに指を突っこんで締まるのを防いだのである。
「ちょ、ちょっと、アンタ、何馬鹿なことやってるんだい!? 下手すりゃ、指折れるでしょうが!!」
「痛……プロレス辞めろって言ってる人が、私の指の心配ですか?」
「そんな問題じゃないだろう!?」
「いえ、そういう問題なんです!! ひっかかっていた物がようやく分かりました」
「……」
「貴方の振る舞い、龍子さんの振る舞い、社長の静観と何かがおかしかったんです。多分、私の為に六角さんを呼んだんでしょう?」
「何のことだか? それより指見せてみろ、場合よっちゃ病院直行だぞ」
「そんな事よりも私自身が私に必要なことを気付かないといけなかったんです。それも相当の決意をもって。まだ、間に合いますか? 六角コーチ」
「……」
「都合のいいことを言っているのは分かります。意固地になっていたのも認めます。お願いします」
 楠木は頭を下げた。
 中森戦、渡辺戦で自分に足りないものが、自分が思っていた以上にあったことを知ったから、ここは引き下がる訳にはいかなかった。
「……やれやれ自分の都合ばっかりだねえ。もっと大人しい娘かと思ってたが、蛙の子は蛙、龍の子も龍ってことかい」
「お願いします!!」
 頭を下げたまま食い下がる楠木。
「嫌いじゃないけどね、そういうの」
「じゃあ?」
 楠木は顔をあげて、六角の返事を待つ。
「……まあ、そんな期待した瞳で見つめられてもお姉さんは大したことは出来ないよ。どんな世界でも積み重ねた時間が重要なのはわかってるんだろう?」
「はい。でも指導して頂けるのですよね?」
「ああ。それじゃ、ロードワークがてら移動しますかね」
「どこへ行くんですか?」
「ついてくればくればわかるさ」
六角は悪戯っぽく笑うと持っていた荷物を部屋に置いてでるとスタスタと裏口へと歩き始めたのだった。

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