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『エンジェルカップ』7日目 第六試合

「よし、今日もいっちゃうよー♪」
 元気良く花道を駆け出してくるのは小縞聡美。
 その細身で抜群のスタイルからは信じられないパワーの持ち主である。

「一戦一戦、大切にいきます」
 反対側の花道を静かに歩を進めるのは、内に静かなる闘志を燃やす楠木悠里。
 恵まれた体格から繰り出されるパワーは日本人離れしており、期待の若手である。


『エンジェルカップ』7日目 第六試合
楠木悠里(龍刃道場)vs小縞聡美(闘京女子プロレス)



少しはなれた場所で、モニター越しに試合を観戦する二人がいた。
 ブレード上原とサンダー龍子である。
「少しずつだけど成長してくれているな」
 そう呟くのは楠木の所属する団体の社長兼看板レスラーのブレード上原。
「私に言わせれば、まだまだなんですけどね」
 辛口で返すのは、同団体のNo.2のサンダー龍子。楠木の師でもある。
「……素直じゃないな」
「先輩には敵いませんけどね」
「よく言う……始まったようだぞ」
 軽口を叩き合っている間に、上原が指摘したようにリング上では楠木と小縞がぶつかり合っていた。
 真っ向からの力比べ。
「相手の小縞も結構なポテンシャルも持ってるようですけど、あの体勢では悠里には勝てないですよ」
 龍子が冷静に指摘するように、徐々に小縞が押されていく。
 体格差で力の掛かり具合が小縞にはどうも不利なようだ。それでも、一気に押し込まれない所を見るとなかなかの力を秘めているようだった。
「今更だが、参加させて良かったと思うよ」
「そうですね。厳しくしているつもりでも甘い部分もあったと実感させられましたね」
 上原と龍子が話している間に試合は動いていた。
「ん? 悠里の動きが鈍っているな?」
 上原が指摘したとおり、試合の序盤にも関わらず楠木の動きは微妙だが精彩を欠いていた。
「恐らく腰でしょうね」
「腰? ……朝比奈戦か。朝は普通に歩いていたが?」
「私達に心配をかけまいとやせ我慢していたんでしょう……仕方の無い奴です」
「拙いな……」
「ええ、小縞相手にこれはキツイですね。下手すれば致命傷になるかもしれませんね」
 上原と龍子の心配はすぐに現実になってしまう。
 楠木の動きが目に見えて鈍くなると、勝負どころと判断した小縞が地の利を生かして、ファンの声援を背に一気に仕掛けたのだ。
 流石、戦うウェイトレスだ。サービス満点の攻めに楠木は一方的に押し込まれる。
 途中で流れを変えるべく放ったラリアットもさらりと避けられてしまう。
「これはキツイな。今の高速パワースラムもスピードが乗っていて綺麗だったな」
 上原の言うとおり、楠木の体重をも利用したセンス抜群のパワースラムが見事に決まっていた。
 が、地元開催が余計な気を起こさせたのか、普段ならそのままフォールに行く所が、技の勢いを利用して小縞が跳ね起きて観客にアピール。
「……まだ、チャンスがあるようですよ」
 龍子が見つめる先で楠木がピクリと動いたように思えた。
「朝比奈に感謝しないといけないな。以前の悠里ならこれで終わっていたな」
「ええ。元々、頑健でしたが、それに心がついていってなかったですから」
「それが鬼と戦って変化が生まれた?」
 龍子の言葉に上原が補足を加える。
「そういうことです。悠里の中の龍が起き――」
 龍子が話し終わる前に、会場が震えた。
 完全にKO状態だと思われた楠木が起き上がったのだ。
 しかし、まだフラついている様にダメージは確実に残っている。それを察知した小縞は驚きを隠せないものの自分の有利は動かないと判断して止めを刺しに動いた。

「お客様、本日のスペシャルメニューをご用意いたしました♪」

 100万$の笑顔で死刑を告げるバトルウェイトレス。フラつく楠木を一気に抱え上げてファイナルオーダーに入ろうとした。
 しかし、楠木が必死の踏ん張りを見せて、体勢を崩すと無理やりに小縞の身体を持ち上げてのパワーボム。
 滅多に見せない技に会場も俄然盛り上がる。
 圧倒的な小縞コールに包まれながらも、起死回生のショートレンジラリアットを小縞に叩き込む。
 しかし、小縞もそう簡単に倒れない。
 お返しとばかりに、楠木をロープに振ると豪腕ラリアットを放ち、試合に終止符を打とうとした。
 それが小縞の今日唯一のミスオーダーとなった。

 楠木がラリアットを潜り抜けた次の瞬間に、小縞の身体はぐるりと宙を1回転してしまったのだった。

 ○楠木悠里(11分37秒 ウインドミル⇒体固め)小縞聡美×

「課題も多い試合だったが、いい試合だったな」
「そうですね。頑丈なのも考えものですね……エンジンのかかりが遅すぎる」
「それは自分も含めているのか? 龍子」
「茶化さないで下さいよ。まあ、否定はしませんけどね」
「一つ一つ成長できれば、それでいいじゃないか。この試合も確実に悠里の成長の糧になるさ」
 上原はそう言って、龍子を連れて選手控え室に向かった。

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