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ある日のこと-1-

 私はブレード上原(本名:上原今日子)。
 以前は、新日本女子プロレスに所属していた。
 団体には不満もなかったしアジアタッグのベルトやAACのベルトも巻いたこともあり充実していた。
 まあ、親友でもあり宿敵でもあるパンサー理沙子(本名:佐久間理沙子)からベルトを奪えなかったのが心残りでもあった。
 こんな事いってるとまるで引退したかのように思われてしまうけれど、まだ現役でプロレスをやっている。
 妙な縁で右も左も知らない新米社長と新団体を立ち上げて忙しい毎日を送っている。これは、そんな私のある日常の風景を綴ったものである。

 4:30
 起床。ロードワークに出る準備があるので大体この時間に目が覚める。
「おはようございます、上原さんいつも早いですね」
「おはよう。君に負けないようにしないといけないからな」
 新聞配達の学生といつもの会話を交わす。今時珍しい学費を稼ぐ為に新聞配達をしているらしい。団体の事務所をここに構えてからの付き合いでかれこれ一年以上になる。
「また、時間がとれたら試合見に行きます」
「ありがとう。でも無理はしないでくれよ? 君には君の事情があるのだし」
「大丈夫ですよ。社長さんにもお世話になりましたし、何よりプロレスは大好きですから」
「そうか。なら期待して待っていよう」
「はい。それじゃ、まだ配達が残ってるいるので失礼します」
「ああ、頑張ってな」
 私はその後ろ姿を見送るとロードワークに出かける。

 7:00
 クールダウンを済ませてジムで一休みしようと戻ってくるといつもの顔に出くわすことになる。
「おはようございます。上原先輩はいつも早いですね」
「おはよう龍子。習慣みたいなものだからな」
 今起きましたとばかりに声をかけてきたのは、吉田龍子―社長と私とでスカウトした始めての娘―だ。
 実は龍子も早朝ロードワークをしているのだが、本人は知られたくないようでこっそりとしている。まあ、悪い事ではないので知らない振りを決めこんでいるが、オーバーワークになりそうだったら止めるつもりではいる。
「軽く身体動かしてから飯行きますから」
「わかった。社長を起こしてくるよ」
「え? アイツまた寝坊ですか?」
「こら、社長のことをアイツとかいうんじゃない。それに社長も疲れてるんだよ」
「えー? だって上原先輩のほうが社長らしい仕事してるじゃないですか? オレ、アイツの社長らしい姿見た事ないですよ」
「それは龍子がまだ周りを見れてないってことだよ、社長は私達に見えないところで頑張ってくれている。龍子が一人前のプロレスラーになれば分かるよ。あと、女の子なんだからオレというなとあれほど言っているだろう?」
「上原先輩がそういうならもう言いませんけど……。わ、私っていうのはなんか恥ずかしくってさ、一応気をつけるけど」
 これも毎日のように繰り返されること。
 龍子はどうも社長のことを頼りなく感じているようだ。まあ、私も出逢った時の印象は最低に近いものだったので、龍子の気持ちが分からなくはないが団体に所属している以上ケジメはキッチリつけておかないといけない。
「それじゃ、あとでな。近所のちびっ子と遊びすぎるなよ」
「あ、あれは、あいつらが付きまとってくるだけですから」
 龍子の抗議の声を背に私は社長の部屋へと向かう。資金の都合でジム、事務所、寮が一緒になっていて社長も同じ建物に住んでいるのだ。

 7:15
 コンコン
「社長? 朝ですよ」
「……」
「社長、起きて下さい」
「……」
 いつもの事とはいえ、溜息が出そうになる。
「社長、入りますよ」
 ああ、目覚ましが床に転がっている。なった瞬間にとめて放り投げたのだろうな。
「社長!!」
「う、う、うう……あと5時間……」
「な、なんですかそれは!! ふざけてないで起きて下さい!!」
「う、う、う、う、うー」
 布団を頭から被り起きるつもりはないと意思表示する姿を見て私は頭を抱えたくなった。
 こんなのだから、龍子に示しがつかないのだ。
「社長!! いい加減にしてください!!」
 私は布団を掴むと思いっきり引き剥がした
 ゴチン
「あ」
 社長がベッドから転がり落ちたその先に目覚まし時計が転がっていた。
「~~~~~~~~~~~~」
「おはようございます、社長。今日も良い天気ですよ」
「いててて、あれ? 上原さん、どうして部屋の中に居るの?」
「起こしにきましたら部屋の中から凄い音がしたものですから、失礼とは思いましたが入らせて頂きました」
「そう。ごめんね、手間かけちゃって。イテテ……でも、俺こんな寝相悪かったかな?」
「疲れていらっしゃるのでしょう。龍子も待ってます。着替えて朝食に来てください」
「ああ、分かったよ」
 まあ、私もたまには失敗するのだが、大体こんな感じで朝が始まる。

 午前中
 興行の日程や提携先と交渉事、営業関連はこの時間に済ませてしまうことにしている。
 弱小団体だからどこよりも早くに動いておかないと手詰まりになってしまうのだ。

 昼食
 バラバラに食べる事が多いのだが、この日は三人一緒に食べる事になっていた。
「うっわー、あり得ねー」
「龍子五月蝿いぞ! 俺の飯にいちゃもんつけんなよ」
「だって、お好み焼きにご飯て組み合わせ的にあり得ねーよ、上原先輩もそう思うよな?」
「そんなことないよな、上原さん?」
 生粋の関西人の社長はたまにおかしな組み合わせでご飯を食べるのだが、龍子はまだここに来て日が浅いのでそういうのが信じられないのでよくこういう事になる。
「龍子、地域地域で色んな食生活があるんだ。自分が理解できなくても否定はしてはだめだぞ」
「ほうらみろ! 上原さんは俺の味方だって」
「うぅぅぅ……」
「社長、勘違いしないで下さい」
「え?」
「私もその組み合わせは理解できませんし、社長はもう少し食生活に気を配るべきです」
「ほうらみろ!! ばーか、ざまあみ――あがっ」
 龍子が頭を抱えて蹲る。出来の悪い後輩には鉄拳制裁。
「あははは、どつかれてや――ふぎゃっ」
 大人気ない社長にも鉄拳制裁。
「龍子も社長も子供みたいなことでじゃれ合わない。そんなことだから近隣の方から私は『上原さんも二人の子供のお世話大変ね』なんて言われるんです!! 情けなくて涙が出そうですよ」
「「ごめんなさい」」
 シュンとなる二人。
「分かったら結構です。さあ、お昼を食べて昼からも頑張りましょう」

 午後
 私と龍子はトレーニング、社長はスポンサー探しが日課。
 時折、私もスポンサーへの挨拶へ向かう事になるが基本は龍子の指導が日課となっている。
 この日は、スポット参戦もなくゆっくりと過ごす事になった。
 自主興行が厳しいので私のスポット参戦での出稼ぎがメインになっているので、龍子にじっくり指導できる嬉しさの反面、経営的には気持ちが沈んでしまう。
 即戦力の入団やフリー選手との短期契約も考えないといけない時期かもしれない。
 龍子のデビューも考えないといけない時期になってきたのだから。

 夕食
 昼と同じくドタバタすることが多いのだが、全員でとる食事は楽しい。これから先団体が大きくなってもこういう事は大事にしていきたいと思う。


 20:00
 一応、経理の真似事で収支チェックをしておくのが日課になっている。
 無駄遣いする人間はいないのだが、こういうことはキッチリしておかないと後々に大変な事になる。

 21:00
 社長はいつも遅くまでなにやらしているが、私や龍子は大抵はこの時間に就寝する。
 興行があれば別だが、それ以外は規則正しい生活で身体のケアを図るようにしている。

 そんな毎日が続いている。

 新女にいればこんな苦労もせずにいられたのにと思うことはないかと、偶に理沙子から聞かれるがいつも私の答えは決まっていた。
「大変だけれど、今まで以上に充実している。それに理沙子を超える為にも私は外に出る事を選んだんだ新しい団体とともに成長して必ず頂点に立ってみせる」
 私は私の決断で新しい道を新しい家族とともに歩いていく事に決めた。
 そんな私の思いを知ってか理沙子の答えもいつも同じ。
「そう。なら今日子の挑戦を待っているわ。それまでは、私は誰にも負けないから。必ず私の元に辿りついてね」

 今尚つづく長く険しい道程を私は歩き続けている。
 龍子も頼もしくなり、後輩も沢山できたが、それはまた別の機会に。

tag : レッスルエンジェルス ブレード上原

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No title

おや?また新たなお話が
これは新しい団体の話ですかね
タイトルに-1-って付いてるから、これから続いていくんですよね
楽しみにしてますよ!!

豆腐屋の哲さんへ

どうも、こんちは。
まあ、新しいっていうより、うちの主力メンバーの昔話だったり、最近の話だったりと一人一人書いていこうかなっと思ったんです。
クライマックスでエネルギー貰ったんで、早めにやっていかないとズルズル日が過ぎちゃいそうなんで(苦笑)

少なくとも、龍子、市ヶ谷様、ちづる、悠里は書いていくつもりです。

そのほかで書きたい面子は、祐希子、葉月、神田さん、斎藤さん、ぜろんこ、小早川、上戸あたりかな。
当然の如く、公式無視になりますけどね。特に愛絡みはストーリーアプリは2話以外してませんから、どうしようもないというのが正直な所です。

続きものというより、投げっぱなしジャーマンのような読みきりにしたいですね(笑)
まったりとプレイ中・・・ではない
Web 恋姫†無想 張遼を育成中!
興行日程
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
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