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終章

『エンジェルカップ』受賞セレモニーの様子はこちら

「本当によくやった……あの娘達は私が思っていたよりもずっと強くずっと美しかった(……そう私が持ち得なかった天使の羽を持っている……)」
 閉会式を会場の片隅で見守る上原が呟く。
 視線の先には、涙を堪えている娘もいれば笑顔の娘もいる。
「……籠の中の鳥は飛ぶことを知っていても飛べるとは限らない」
 上原はある決断を下すことにした。それは理解されないかもしれないがとても重要なことだと信じていた。


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『エンジェルカップ』最終日 第五試合

「す、す、すっごくお客さん入ってますね」
 少しどもりながら見たままの事を言っているのは永原ちづるで、それを黙って聞いているのは越後しのぶ。
「あ、あたし、こんな大っきい会場初めてなんですけど……」
「……だ、大丈夫だ」
 妙に緊張気味な永原に、とても大丈夫には聞こえない越後の返事。

 控え室でモニター越しに見える風景は、自分たちの団体では到底お目にかかれないものなのだから、二人に緊張するなというほうが無理だった。
 そこに、現れたのは第二試合でそのありえない風景の中で戦い、勝ち残った楠木だった。

「寮長、ちづる」
 体のあちこちに絆創膏やら湿布を張っている楠木が笑みを浮かべて二人に話しかけた。
「楠木か……おめでとう。よくやったな。あと一つ、悔いのないようにやれよ」
「悠里、おめでとう。大丈夫? メインでも試合あるんでしょ?」
 越後にしても永原にしても、仲間を気遣う余裕は残っていた。
「ありがとうございます!! 二人の言葉をそのままお返しします。私がここまでやれたのは団体のみんなのお陰です。正直、この観客には驚きました。でも、リングですることは会場が大きくても小さくても一緒なんですよ」
「「!!」」
「社長がいつも言ってますよね? 『苦しい時、逃げ出したい時には仲間の顔を思い出せ、日々のトレーニングを思い出せ』と。私達は1人じゃなんです。今だって、寮長もちづるも自分たちの試合がすぐにあるのに私の心配をしてくれましたよね? 同じですよ。お二人の後ろには私達がいます。私達のプロレスをしましょう!!」
 楠木が拳を握り締めて懸命に語りかけた。そんな言葉が響かぬはずはなく、越後、永原の目から緊張の色が消えていた。
「……やれやれ。面倒見る立場の私が面倒見られていては駄目だな。気を引き締めて永原の手綱を握っておくとするよ」
「あーっ!! 寮長、それってあたしが思いっきり馬鹿なことするみたいじゃないですか!? あたしだって成長してるんですよ~。ぶーぶー」
 いつもの調子に戻った時に、会場では休憩終了のアナウンスが流れ始めていた。

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龍刃道場の日常その9

「……うーん……」
 永原ちづるは目が覚めた。明日の試合に備えて、練習もそこそこに休養日にあてられたにも拘らずに。
 いくら能天気とはいえ、明日の一戦で栄冠に手が届くかもしれないとなっては仕方のないことだった。
 この状況で欲がでないなんて人間はいない。いるとしれば、そいつはプロレスラーなんか辞めて仏門にでもはいればいい。
「……少し汗をかこう」
 そう呟いて、ベッドから起き上がると同室の楠木がまだ戻ってきていないことに気付く。
(あれ~? 悠里まだ戻ってないんだ)
「皆同じなのかな……」
 永原は自分のスポーツタオルを引っつかむと道場へと足を伸ばした。

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『エンジェルカップ』13日目 第三試合


――試合前

「美加、私絶対に負けないよ」
「QTだって!! 悠里にだけいい格好させないもん」
 楠木が金井を誘って外に出ていた。
 別館の裏口は大通りから外れていて、この時間帯では人もまばらだった。
 リーグ戦の最終戦が同門対決になっていて、金井は決勝進出の目はないが、楠木はこの勝敗次第で決勝進出もありえるのだ。
 ファンの大方の見方としては、金井が楠木のアシストをしてすんなりの決着と予想していたし、団体の威信が掛かっているとなれば問題ないことだとも思えた。
 だが、本人達はそれでは納得いかない。
 だから、楠木が金井に宣戦布告し、金井も大会での成長をみせるようにその宣言を真っ向から受け止めたのだ。
「悠里、ぜ、全力だよ。QT怖いけど、QTだって成長してるんだから。悠里に勝つなんて、ど、どうってことないんだから!!」
 本当に怖いのだろう。でも、勇気を振り絞って同期であり、親友であり、ライバルである楠木に手抜きは無用という金井。
「勿論だよ。私もこの大会で色々と学んだよ。それに私はプロレスが大好きなんだ……それをもう裏切ることは出来ないよ」
 楠木も金井の心を受け止めて断言をする。
「悠里、最高の試合しようね」
「最高の試合をしよう」
 金井が右手を差し出すと楠木が握り返す。
 そして、どちらかとも無く手を離すと二人は勝負師の顔になり、それぞれの控え室に帰っていった。

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龍刃道場の日常その8

――龍刃道場裏口

 楠木悠里は建物の影でジッと座っていた。
 何するでもなく座っているその姿を見て、龍子は声をかける事にした。自分の柄ではないとは思ったが、自分の役目ではあると思ったからだ。

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『エンジェルカップ』11日目 第六試合

「相変わらず地味ですわね」
 前回と同じく山奥の体育館での開催にボヤくフレイア鏡。
 彼女にしてみれば、消化試合の一戦でメインに据えられたところでやる気など起きる筈もなかった。


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龍刃道場の日常その7

――龍刃道場にて

「六角コーチ、どうだい悠里達は?」
「葉月でいいのに。相変わらず固いなあ」
上原と六角、誰もいない道場に二人で座っていた。
旧友でもある二人だが、今は、雇用者と被雇用者の関係。
六角は全く以って気にしないが、上原は性格上、そうはいかないようだった。
それでも、団体では龍子や会長とは違う意味で、腹を割って話せるのが六角葉月という親友なのだ。

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『エンジェルカップ』10日目 第一試合

「どうしまして? いきなり来るなんて聞いていませんわよ」
 市ヶ谷はインターホン越しに呆れながら話しかけた。
「いやあ、まあ、色々と事情があるんだよ」
「仕方ないですわね」

 ガチャンと切れると門が軋みながら開き始めた。

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龍刃道場の日常その6

「……」
 寮のある部屋の前でドアに手をかけては引っ込め、引っ込めてはまたドアに手をかけるという挙動不審な者がいた。
「……今更、どう声をかけたらいいのかな……」
 ドアから離れると今度は、ウロウロと落ち着き無く歩き出す始末。
 そんなところに部屋の主が帰ってきた。

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『エンジェルカップ』8日目 第五試合

「与えられた仕事をこなすとしよう」
 そう呟いてリングに向かうはTNA所属中森あずみ。
 仕事人の異名は、一撃必殺のアンクルロックに由来すると思われているし間違いないのだが、本当の意味する所は別にあるのだ。
 辣腕と業界では名高いTNAの代表が、頼りにする人間は二人おり、その一人が中森なのだ。
 興行においては、確かにスター選手は必要だが前座からメインまで同じ傾向が続いては飽きてしまう。
 どんな大好物でも同じものばかりでは飽きてしまうのだ。それを調整できるのが中森というレスラーだ。
 今回の興行で求められているのは、メインの鏡の試合をいかに際立たせて成功を収めるかという事。
 その相手は誰かと言えば、試合をこなす度に成長著しい龍刃道場の楠木悠里。その彼女と白熱した試合をというのが仕事内容で、当然のことながら勝てるなら勝てとの事。
 若手にそんな指示を出すのも酷なのだが、中森は首を横に振る事はない。困難であればあるほど中森はその仕事をやり遂げて自身の成長の糧としてきた。
 それは、取りも直さず打倒フレイア鏡という目標の為なのだ。

 8日目 第五試合
 楠木悠里(龍刃道場)vs中森あずみ(TNA)


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まったりとプレイ中・・・ではない
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興行日程
06 | 2017/07 | 08
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上原 柊

Author:上原 柊
画像は、玉倉かほ様の了承を得て貼らせて頂いております。

胡蝶の夢

誰も読んでないと思うけど、恋姫話は現在↑のところで書いてます。無謀もいいとこですが、、まあいけるとこまで行くぜって感じで。

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